タグ: プレゾン

KinKi Kidsという純正アイドルの起源

一度でもあのふたりに心を揺り動かされた人たちに向けて。

『硝子の少年』が本当は何を歌っているのかを、少年隊を全く知らないKinKiファンに向けて解説します。

1997年7月21日リリースKinKi Kidsデビューシングル『硝子の少年』は山下達郎プロデュース、作詞は松本隆。
まず、曲の舞台は日本ではありません。
私が36年間生きてきた日本社会においてバス停留所を「バス・ストップ」とは呼ばないので。
ではどこかというと、歌詞にあるように映画館のあるどこかの町です。

――逆さまに映る、歪んだ球の向こうの側――

少年隊ミュージカル「PLAYZONE’95 KING & JOKER―映画界の夢と情熱―」*(以下「K&J」と表記)の舞台は、シネマの楽園です。
錦織一清演じる映画スター•チャンプと、彼に見出され相手役を務める青年•早乙女(東山紀之)。そして、そんなふたりの出演作の脚本を、チャンプと作品の方向性で頻繁にぶつかりながらも書き直し続けている結城(植草克秀)が主な登場人物です。
早乙女が次世代のスターに選ばれたことで、チャンプは自らの映画人生の幕引きを考え始めます。チャンプの最大の理解者である女性もその意を汲んで協力します。
目的は、スターとしての資質が充分にある早乙女に、自覚を促し自我を持たせること。
早乙女にはハングリー精神というか闘争心が欠けているのです。

孤独なチャンプが唯一安らげる場所である実姉は、人生のパートナーを得て旅立つ準備をしています。チャンプはそんな姉の門出をきちんと祝っていて、本心は結城にだけ見せています。チャンプは結城に、自分のすべてを記した本の執筆を依頼しているので。

早乙女には初の主演映画の話が舞い込みます。そして、チャンプのそばにずっといた女性リサと交際をスタートさせます。
早乙女の映画映画の撮影は順調に進みます。そんな撮影現場を舌鋒鋭く批判するチャンプに、さすがの早乙女にも敵対心めいたものが芽生えたのか、挑戦状を叩きつけます。

早乙女の主演映画の興行は順調で、次回作もクランクイン。そんな中、早乙女はリサに「あなたのことが好き。けれど私はあなたのような映画スターになりたいから、プロデューサーと結婚するわ」と告げられます。

二年後、現在。
結城と早乙女は、チャンプの死について語り合います。
野心ある若者なら「帝王の座が空いた。チャンスだ」と少しは邪心が生まれるのかもしれませんが、早乙女は頭を抱えるばかりです。「俺のせいで死んだんじゃないか。彼をあそこまで追い込めたのは俺じゃないか」とまで言っています。
実際に映し出されたフィルムでは、チャンプは撮影中に自らビルの屋上から飛び降りたのに。
そして早乙女は、自分の意志で結城が書いたチャンプの伝記の映画化を企画し自ら主演、見事に完成させます。
終幕。

『硝子の少年』に話を戻します。
歌詞の中で、バス・ストップにいたのはチャンプの姉。
小さな石で未来ごと売り渡したのは、チャンプの最大の理解者で早乙女の意中のひとであるリサ。
歌割を考慮すると、アイドル堂本剛が「K&J」におけるチャンプの姉の、光一が早乙女の想いびとリサの子ども(子どもとは依り代であることの喩え。「K&J」に子どもは登場しない)ということになるはずです。

※…少年隊ミュージカル「PLAYZONE’95 KING & JOKER―映画界の夢と情熱―」

(脚本・演出: 錦織一清/原案: 少年隊)

CM

少年隊ミュージカルPLAYZONE(プレゾン)は1986年から2008年に毎年東京青山劇場で上演していた少年隊主演ミュージカル。23年間のうち2004年公演を除く22作までがオリジナル作品で、今年2020年12月12日にベストアルバムとともに完全受注生産のDVD-BOXが発売されます。クオリティを考えるとびっくりするほどお得なので是非!

Johnny’s Entertainment Record 公式サイト SPOT MOVIEのページから宝箱みたいなムービーが閲覧できます。

DVD「少年隊 35th Anniversary PLAYZONE BOX 1986-2008」完全受注生産限定盤 通販ページ 申込み受付は10月9日23時59分まで。