『イップ・マン 継承』における葉問と李小龍について

『葉問 継承』冒頭において、
誰よりも速いことを鼻にかけ葉問に武術を教えろと勇んでいた李小龍が、葉問が扉を開けたら怖気付いて帰って行ったという一連のシークエンス、

あれって葉問は音よりも速く動く仙人であることを端的に表現した演出なんですよね。
1960年代初頭イギリス領香港はラジオが普及し若者も音楽に合わせて踊っています。なので小龍の速さの基準は音です。
が、葉問は元々広東省珠江の佛山で好きな武術やってる片手間に生活してた道士なので、世俗に疎いんです。
山から降りる過程で親友・清泉に支えられ妻・永成に叱咤激励されながら俗世の作法を学び、本作では普段は好好爺を演じることに(外見年齢を除いては)かなり成功しています。けれど相手が言葉も身勢语(body language)も聴こうとしない無礼者だと、本来の道士に戻るんです。

確かにこの動作設計は洪金寶からバトンを渡された、そして武打星甄子丹を見出した師匠である袁和平にしかできないものですよね。

2020年5月3日午後7時からのTOKYO MXでの放映に合わせて好きに実況解説したスレッドはこちらです→ https://twitter.com/Azuma_Matsu/status/1256889332163461120