最近読んでる漫画のはなし。
常時５～６本の漫画の連載を追いかけている私がよく使うコミックアプリはコミックDAYS、LINEマンガ、マンガワンです。
コミックDAYSは『K2』を追いかけるために使い始めたのですが、勝手がよくてすっかり居着いてしまい、使用制限をかけています。
そこで出会った漫画が、山田金鉄『かさねと昴』
おもちゃを開発企画する小さな会社で働いてるかさね。ある日、アクシデントにより同僚・榎田昴のお尻を触ってしまう。その触感が子どもの頃にヒーローショーで触れた大好きな怪獣シロベルガンの頭の触感を彷彿とさせて…
男性の尻の魅了されたかさねと、魅惑の尻の持ち主である昴のラブコメです。
かさねは小柄な女性で、昴はスレンダーな長身の男性。行動派で元気な小動物のようなかさねと、植物みたいに静かで慎重派な昴の凸凹コンビが仕事を通じて仲を深めていくのかな…と読み進めたら、昴には秘密の趣味がありました。
それは、女装。
以前のイリーガルな業務実態の会社で調子を崩して転職した昴にとって、それは癒しです。
かけがえのない、大切な時間です。
かさねとのはじめてのプライベートのお出かけでは、行きたかった女装サロンのオーナーが経営している洋服屋の実店舗に一緒に行きます。
憧れの女装家マサムネさんにメイクしてもらい、コーディネートもばっちり、念願の女装でパンケーキ屋さんに行きたい！……と頑張った昴ですが、結局途中やめてしまいます。
このくだりがすごくせつなくて。
せっかく自分に合った素敵な恰好であっても、心無い言葉をかけられたりしたら、服にも辛い記憶がついてしまうのでは…と読んでて辛かったんですが、昴は「あくまで自分の問題」と近所のコンビニ通いからひとり訓練を続けて、最終的にかさねとパンケーキデートをします。
よかったね……！
かさねとの仲が深まるのと並行して、昴の女装もステップアップしていきます。
同人イベントでのコス合わせで自信をつけて、恋愛ゲームとの公式コラボイベントでお仕事としてメイド姿に！
同僚バレ、身内バレといったひやりとするイベントも度々起きますが、それぞれの着地・決着もきちんと描かれてるので、頑張って読み進めてください。
かさねは大学時代から友人たちとシェアルームをしており、うちひとりの堂本煉はイラストレーター。レズビアンで恋人と遠距離恋愛中。
もうひとりの由木撫子はドルオタで、いつだって趣味に全力投球完全燃焼。恋愛に興味がなく、SEXについての生々しい話があまり得意じゃありません。
多分撫子はアセクシャルなんじゃないかな。連載が続けば掘り下げエピソードがあるんだろうなと大切に読み進めていたら、なんと『かさねと昴』７月16日で無事最終回を迎えてしまいまして。
おかげで最終回以外全話無料配信中。
感謝するけどさみしいよ～と嘆きながら最終回を購入しました。
撫子が、ベランダでかさねに言う言葉がすごく好きです。歳月が育てた絆を感じてじーんときました。
かさねは社交的でやりたいことに一生懸命なので、兄弟の中で鬼子として育ち、うちに閉じこもる性質の昴と歩調が合わないときがあります。
それでも、かさねはひとりで「ちいさいこと」を気にしている自分を「男らしくない」と卑下してぐしゃぐしゃになってる昴を探して見つけてすくいあげてくれる。
かさねと昴の関係、寒い日のホッカイロみたいな心地よさがあるんですよね。
この先も応援してます。
昴だけでなく男性全般のお尻にもときめきを覚えるのかどうか判別をしたいかさねのために尻を差し出したノリのいい同僚西森とか（彼からから飛び出す金言が流石）、脇のキャラクターもバックグラウンド込みで設定されてるんだろうなと思うので、やっぱりもっと読みたかった。
山田先生、作品、よい作品をありがとうございます。